建設アスベスト(石綿)被害者救済の補償基金制度に建設資材メーカーの参加を求める請願署名の提出集会が4月13日、衆院第1議員会館でありました。首都圏建設アスベスト訴訟統一本部と建設アスベスト訴訟全国連絡会の主催で、200人が参加しました。
建材に含まれたアスベストを吸い込み、深刻な健康被害を受けた元建設作業員や遺族が全国各地で国と建材メーカーを訴えた建設アスベスト訴訟。国と一部メーカーの責任を認めた最高裁判決(2021年5月)を受け、国と原告が基本合意書を結び、和解を進める一方、建材メーカーが補償基金への参加を拒んでいます。屋外作業者や国の責任期間外に作業した被害者は、給付金の対象外になっています。
たたかい呼びかけ
主催者代表あいさつで中村隆幸本部長は「建材メーカーには今なお被害者に対する謝罪が全く見られず、許すことができない」と述べ、製造・販売店企業の基金制度参加に向けたたたかいを呼びかけました。
弁護団の水口洋介弁護士は、6月7日に建材メーカーを全国一斉に提訴すると報告し「建材メーカーの完全賠償と謝罪を求め、逃げ切りを許さない」と述べました。
謝れ、償え、なくせ
原告代表が相次いで発言。東京2陣訴訟で遺族原告、同3陣で本人原告になった男性(73)は、建材メーカーに勧められ、最高の製品だと信じ込んでアスベストを含んだ建材を使用。09年に肺疾患がわかり、15年に石綿肺の認定を受けました。「兄2人を石綿肺で亡くした。肺疾患になると分かっていながら使用させた責任は重い。“謝れ、償え、なくせアスベスト被害”のスローガンのもと、みなさんのご協力をよろしくお願いします」と訴えました。
5万8000人の署名を受け取った日本共産党、立憲民主党、れいわ新選組の衆参国会議員があいさつ。日本共産党の宮本徹衆院議員は「みなさんとスクラムを組んで建材メーカーにも責任を果たさせたい」、田村貴昭衆院議員は「実りある補償基金制度にするために力を尽くしたい」、武田良介参院議員は「建材メーカーの責任を問い続けたい」と述べました。
参加者は議員要請行動を行いました。(しんぶん赤旗 2022年4月14日)