水俣病被害者救済早く 連絡会と国会議員懇談

 水俣病の患者らでつくる「水俣病被害者・支援者連絡会」は4月19日、「水俣病被害者とともに歩む国会議員連絡会」と衆院第1議員会館で懇談しました。水俣病の公式認定から66年を経て、今も多くの被害者が救済されず苦しんでいるとして「政治の力で早期の全面解決を」と求めました。
 
 「ノーモア・ミナマタ第2次熊本訴訟」原告団長の森正直さん(水俣病不知火患者会)は、国は被害の全容解明に不可欠な健康調査も行っていないと批判。被害者を水俣病患者として行政に認めるよう求めた裁判でも原告の訴えが退けられているとして、「被害者を切り捨てようとする国の姿勢や、国に追随する司法のあり方は許されない。『水俣病は終わっていない』という現状を広く国民に伝えたい」と訴えました。
 
 車いす姿で参加した原告の女性(67)は「生まれたときから“健康”という言葉を知らない。裁判では4回も負けた」と発言。救済されない苦しみを語りました。
 
 議連の総会と懇談会には日本共産党、立憲民主党、国民民主党の国会議員が参加。日本共産党からは田村貴昭衆院議員、市田忠義、山下芳生の両参院議員が出席し、連帯のあいさつをしました。
 
 水俣病を世界に伝えた米国の写真家ユージン・スミスさんをモデルにした映画「MINAMATA」の上映会が行われました。(しんぶん赤旗 2022年4月20日)