政府が来年10月から導入をねらうインボイス(適格請求書)制度に対し、地方議会からの意見書が急増しています。2021年に97件だったものが今年は7月末の段階で423件も財務省に出されています。
地方議会からの意見書は財務省に寄せられたものです。日本共産党・田村貴昭衆院議員が要求して集計・提示されました。ただし、財務省は表題に「インボイス」「適格請求書等保存方式」「シルバー人材センター」との文言が含まれるものだけを集計対象としており、さらに多くの意見書が採択されている可能性があります。
意見書の採択件数は加速しています。22年に入ってからの累計の推移を見ると3月末には145件、5月末には175件だったものが7月末は423件と2カ月間で248件も増えました。
インボイス制度が実施されると、課税業者が仕入れの際、納税者番号を記載したインボイスを受け取れなければ納税額が増えてしまいます。地方自治体の特別会計などには消費税納税義務があるため、納入業者に対してインボイス発行業者かどうかの調査がはじまっています。4月には公益財団の北九州市学校給食協会が食材などへの納入業者に対し、インボイス発行業者になるよう依頼する文書を配布しています。
いままで消費税納税義務のなかった年間課税売上高1000万円以下の事業者も課税業者になるか、取引を断られるかなどの選択が迫られることになります。地方経済に大きな影響を与えるもので、導入の延期や中止を求める意見書がさらに増えることも考えられます。(しんぶん赤旗 2022年8月27日)