防衛省が鹿児島県西之表市にある馬毛島に米軍の訓練施設建設を強引にすすめている問題で、「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」の山内光典会長らは12月1日、馬毛島への米軍施設計画の白紙撤回を要請する防衛省交渉を参院議員会館でおこないました。
立憲民主党の近藤昭一、日本共産党の赤嶺政賢、田村貴昭の各衆院議員、「沖縄の風」の伊波洋一参院議員ら沖縄等米軍基地問題議員懇談会のメンバーが同席しました。
要請で、山内会長は、西之表市から約10キロしか離れていない馬毛島に基地が建設されたら、夜中まで続く米軍訓練で激しい騒音による健康被害や戦闘機などからの落下物などで島民の平穏な生活が根底から壊されると指摘。豊かな漁場や貴重な動植物の生環境が破壊されると述べました。
交渉では、西之表市長の明確な賛否表明もなく、地元住民の理解も得られていない状況でなぜ基地建設を急ぐ必要があるかと疑問が次々に出されました。
米軍の空母艦載機着陸訓練(FCLP)の飛行経路について、防衛省側は、「米軍と調整したものであり、緊急時を除き、示した経路以外を飛行しない」と回答したため、赤嶺議員が「米軍は沖縄で、『緊急時』が当たり前の運用でひんぱんに事故を起こしている」と指摘。山内会長らは、「住民の不安はぬぐえない。もっと誠意をもって、丁寧な説明をすべきだ」と批判しました。
防衛省が示した飛行訓練空域についても2008年の資料とも違うと指摘し引き続きの交渉を求めました。(しんぶん赤旗 2022年12月2日)