農民運動全国連合会(農民連)は5月19日、畜産・酪農危機打開、水田農業の維持、食料自給率向上へ向けた対策を農林水産省に要請しました。約6000人の酪農家の要望書とオンライン署名を提出。オンライン署名は累計で8万6308人となりました。
農水省に対し、国が需給に責任を持つコメ政策への転換▽飼料作物への転作を支援する水田活用の直接支払交付金(水田交付金)削減の撤回▽飼料価格の高騰や離農を防ぐ支援を拡充する▽外国産米(ミニマムアクセス米)の輸入中止―ことなどを求めました。
長谷川敏郎会長は、「危機打開としては不十分だ。現場の声に応え、展望が開かれる対策を早急に実施してほしい」と訴えました。
岩手県農民連の岡田現三事務局長は「畜産・稲作の複合経営では水田交付金の削減、飼料高騰で大打撃だ」と指摘しました。群馬県の養豚農家、上原正さんは「1頭10万円の緊急支援が必要だ」と強調しました。
農水省は、ミニマムアクセス米の国家貿易で477億円の赤字(2021年度)だと報告。参加者から「不要な輸入ではなく、国内農業を守ることに税金を使うべきだ」との声があがりました。
日本共産党の田村貴昭衆院議員が同席しました。(しんぶん赤旗 2023年5月20日)