水俣病救済地域 不当な線引き 超党派議員が現地調査

汚染の広がりを視察する国会議員連絡会=20日、熊本・鹿児島両県にまたがる不知火海上 (2) 超党派の国会議員でつくる「水俣病被害者とともに歩む国会議員連絡会」=西村智奈美会長・衆院議員(立憲民主党)=は5月20日、熊本県水俣市と不知火(しらぬい)海(八代=やつしろ=海)の現地視察を行いました。「水俣病被害者・支援者連絡会」が要請したもの。
 
 日本共産党の田村貴昭衆院議員、仁比聡平参院議員、立憲民主党の西村、野間健、梅谷守の各衆院議員、れいわ新選組の大島九州男参院議員らが3隻の船に分乗し視察。海上から、不知火海沿岸の熊本県天草市や鹿児島県長島町などで救済対象地域を分けた不当な線引きを目視により確認しました。
 
 水俣市では、水俣病の加害企業チッソ全景や1968年まで有機水銀を含む排水を流していた百間排水口などを確認しました。
 
 西村氏は、線引きに合理性のないことや救済のための沿岸地域の健康調査・環境調査が必要なことを指摘し、「すべての被害者救済に共に歩みを進めたい」と述べました。
 
 田村氏は、すべての被害者救済に向けた今後の取り組みについて「あらたな政治判断による解決策も必要になる」と指摘しました。
 
 仁比氏は「今秋のノーモア訴訟の結審に向け、国会内でも共にたたかいを前進させたい」と語りました。
 
 調査には「水俣病不知火患者会」の岩﨑明男会長や「ノーモア・ミナマタ第2次訴訟」原告団の森正直団長らが同行。岩﨑氏は「水俣病の被害の広がりを実際に目で見て確認することで被害の実態がより鮮明になる」と話しました。(しんぶん赤旗 2023年5月22日)