「水俣病被害者とともに歩む国会議員連絡会」は10月6日、衆院第2議員会館で環境省に対し、全原告を水俣病患者と認定し賠償を命じた9月27日の大阪地裁判決に従い、控訴を断念して全ての被害者の早期救済をするよう求める伊藤信太郎環境相あての要請書を提出しました。控訴期限は今月11日です。
水俣病被害者救済特別措置法で救済から外れた近畿地方などに住む被害者128人は「ノーモア・ミナマタ近畿第2次訴訟」として、国、熊本県、加害企業のチッソに対して損害賠償を求め、大阪地裁で勝訴しました。
環境省への要請で国会議員連絡会の西村智奈美会長は、「水俣病は、環境省ができるきっかけとなった公害事件。大臣が直接被害者の声を聴いてほしい」といいました。
日本共産党の田村貴昭衆院議員は「地裁判決は救済の線引きを否定している。国は判決を受け入れるべきだ」と訴えました。2018年の「水俣病慰霊式典」でチッソの後藤舜吉社長(当時)が「水俣病の救済は終わった」と暴言をはく(後に撤回、謝罪)など、患者への救済と補償を拒む会社の姿勢について、国による厳しい指導と対応を求めました。
さらに、「国の救済・補償対応はどうするのか」を迫りました。環境省職員は「訴訟への対応は精査中。患者もおられ、救済終了の状況ではない」と答えました。
立憲民主党、社民党の国会議員が参加しました。(しんぶん赤旗 2023年10月7日)