日本共産党の小池晃書記局長は11月5日、熊本市内で街頭演説し、田村貴昭衆院比例予定候補(衆院議員)、おくだ木の実・衆院熊本2区予定候補の勝利、九州・沖縄ブロックでの日本共産党の躍進で「岸田政権を倒し、希望の持てる新しい日本をつくろう」と訴えました。(動画はコチラ)
小池氏は、田村氏が国会で、憲法違反の大軍拡を撤回せよと首相に迫り続け、インボイス(適格請求書)制度の中止を求める20回にわたる質問で国民の共感を得たことを紹介。「熊本地震や球磨川の水害など災害が起きれば駆け付け、すぐさま行政に被災者の声を届ける。ノーモア水俣訴訟での結果を踏まえすべての被害者の救済を国に求める。頼りになる政治家が田村さんだ」と強調しました。
田村氏は、おくだ予定候補も参加した民青同盟の熊本労働局との交渉を通じ、熊本で中央が示した目安を超える最低賃金の引き上げがあったと強調。消費税引き下げや九州・沖縄で進む自衛隊の基地強化ストップに決意を示し、「いのち、暮らし、そして尊い平和を守っていくために日本共産党の九州比例2議席を復活させてほしい」と訴えました。
小池氏は、岸田文雄首相が防衛相に任命した衆院熊本1区選出の木原稔氏が、同長崎4区補選の応援で「(自民候補を)しっかり応援していただくことが、自衛隊やその家族へのご苦労に報いることになる」と演説したことや、「教育勅語の廃止で道義大国日本の根幹を失った」など問題発言を繰り返していることを告発。事務所に教育勅語を額入りで飾っていたことを参院予算委員会で追及され、「衆院議員としての私の発言を参院の予算委員会でお答えすることは差し控えたい」と答えたことに触れ、「はっきり言って、一番防衛大臣にしてはいけない人ではないか」と批判しました。
小池氏は、イスラエルの軍事行動で深刻な人道危機に直面しているパレスチナ自治区ガザの状況について言及。「救急車までを空爆し、すでに犠牲者は1万近くで、そのうち約4000人が子どもだという地獄のような状況だ。国家や民族を根絶やしにするジェノサイド(大量虐殺)で国際法違反は明らかだ」とイスラエルの蛮行を糾弾しました。小池氏は同時に、この軍事行動をいまだ国際法違反と認めず、121カ国の賛成で採択された国連総会の「人道的休戦決議」を棄権した岸田政権を「(イスラエル寄りの)アメリカの顔色をうかがう情けない外交だ」と痛烈に批判しました。
小池氏はその上で、平和的生存権と戦争放棄を定めた日本国憲法の理念に基づく平和外交の出番だとして、「今すぐ停戦」「ガザ攻撃中止」「子どもたち、人々を殺すな」の声をあげようとよびかけました。あわせて党が取り組んでいる「ガザ人道支援募金」への協力を訴えました。
「物価上昇が止まらない。暮らしの悲鳴があがっている」。小池氏は、岸田首相が所信表明演説で「経済、経済、経済」と連呼して、「コストカット型経済の30年ぶりの転換」をうたったことについて、「コストカットのため非正規ワーカーを増やし、先進国で唯一『賃金の上がらない国』にしたのは一体誰か」「大企業の法人税を減税し、その穴埋めに消費税を上げ続けてきたのは誰か」と指摘。「どれも自民党が財界いいなりになってやってきたことだ。やるべきことは、反省、反省、そして転換だ」と強調しました。
小池氏は、「経済立て直しの仕事は共産党にやらせてください」と述べ、党の経済再生プランを紹介。(1)物価上昇を上回る賃上げ―最低賃金1500円、大企業の内部留保に課税し中小企業支援、非正規ワーカー待遇改善(2)世界107カ国で実施されている消費税減税、インボイス制度の中止(3)農林水産業を本気で応援する政治―価格保障、所得補償―などの内容を丁寧に説明しました。
小池氏は最後に、アメリカいいなりの政治やめよと訴え、大企業からお金を一切受け取っていない日本共産党こそが、暮らしを犠牲にしてまでの大軍拡、財界のもうけ優先の政治のゆがみを正せると強調。「この党を伸ばしてこそ平和の願いも、暮らしの願いも実現できる」と述べ、党の躍進を多くの市民によびかけました。
小池氏らの演説をうなずきながら熱心に聞いていた男性(70)は「熊本でも自衛隊の強靱(きょうじん)化など軍拡に税金がつぎ込まれる一方で、庶民の暮らしは一向によくならない。(小池さんの演説にあったように)『税金の使い方が間違っている』。生活が豊かになるような予算を優先してほしい」と話しました。
街頭演説ではガザ支援募金が呼びかけられ約4万6000円の募金が寄せられました。(しんぶん赤旗 2023年11月6日)