インボイス1カ月 当事者訴え 納税額 利益上回る/「事業の見通し悪い」「廃業検討」など7割 フリーランスの会調査

 インボイス制度を考えるフリーランスの会は11月13日、衆院第2議員会館で会見を開き、消費税のインボイス(適格請求書)制度開始1カ月緊急アンケートの結果を報告し、各省庁に運用停止・中止・廃止を求めました。エンターテインメント業界、中小業者・農民団体、税理士ら当事者が訴えました。
 
 アンケートには10月下旬の11日間で約3000件の回答が寄せられ、そのうちの7割が「事業・仕事の見通しが悪い」「廃業を検討」「経理から退職・異動を検討」と答えました。
 
 報告した同会発起人でライターの小泉なつみ氏は、取引先によるインボイス未登録事業者への一方的な取引停止や値下げが起きてから対処する「政府・行政の対応が、実害として働き手に降りかかってしまったことが最大の問題だ」と指摘。
 
 その後、制度の運用停止・中止・廃止を求める要請書を財務省、国税庁、公正取引委員会、中小企業庁の各担当者に提出し、22日までに見解を回答するよう求めました。
 
 インボイスの実害を受けた当事者の声を、声優有志でつくるVOICTIONの甲斐田裕子共同代表が代読。茨城県の農家(67)の「納税額が利益を上回ってしまい廃業以外選択肢はなかった。政治家、国民のみなさん、安全性と味を追求した作物が消える世の中でいいですか。インボイスはお金の話ではなく国民の健康に深く関わる」との訴えを紹介しました。
 
 インボイス問題検討・超党派議員連盟の国会議員が参加。日本共産党から田村貴昭、宮本徹の両衆院議員があいさつしました。(しんぶん赤旗 2023年11月14日)