衆院農林水産委員会は4月15日、食料・農業・農村基本法改定案についての地方公聴会を鹿児島市で開き、農業者や学者など4人が、肥料の国産化や有機農業、農業と福祉の連携、法人経営などについて意見陳述しました。日本共産党の田村貴昭衆院議員が参加しました。
JA鹿児島経済連農産事業部の新村浩二部長は、畜ふんをたい肥化して耕種農家に供給し、取れた飼料作物や稲わらを畜産農家で使う「耕畜連携」について報告しました。価格高騰の中での肥料需要の減少について、高騰した肥料価格を農作物の売価に転嫁できないと指摘。諸経費の転嫁が進み利益が確保できる農業経営ができれば、年々減っている基幹的農業従事者や農地面積の見通しも変わってくると訴えました。
田村氏は、肥料のペレット化など飼料・肥料の国産化の取り組みが価格高騰の時のみで終わってはならないと強調し「輸入の在り方について問い直さなければならない」と述べ、考えを尋ねました。新村氏は、「国内で賄えないものは輸入するというような考え方ができれば一番いい」と答えました。
食料自給率向上を巡る田村氏の質問には学識経験者から「農林水産予算は減らされる一方、自由化などで輸入促進をやってきた。ブレーキを踏みながらアクセルを踏んでうまくいくはずがない」との意見が上がりました。(しんぶん赤旗 2024年4月16日)