北九州市門司区の複合公共施設の建設予定地で見つかった初代門司港駅(旧門司駅)遺構を施設建設のため市が取り壊そうとしている問題で、日本共産党の宮本岳志、田村貴昭両衆院議員は7月22日、現地を党北九州市議団とともに調査しました。
宮本、田村両氏は、1891年(明治24年)開業の同駅が港と同時に整備されたことがわかる痕跡や、日本の伝統技術と西洋の建築技術が共存する基礎の説明を受けました。市の担当者は「希少なケースです」と遺構の重要性をにじませました。
両氏は、日本考古学協会の佐藤浩司氏から聞き取り。佐藤氏は、市の発掘調査を分析し、完了したとは言えないと強調。「このまま工事をするなら文化財保護法に違反する」と訴えました。
調査後、田村氏は「100年前の鉄道遺構がきれいな形で残されており本当に地域の宝だと改めて感じた。隣接する鉄道記念館と併せ、九州の鉄道の起点をたくさんの人に見てもらうことが北九州の資源になる」と語りました。
宮本氏は、計画強行の背景に少子化を前提とした公共施設削減を推し進める国の姿勢があると指摘。「現地にこだわる市の態度は問題。建築するにしても壊すのは愚の骨頂だ。(大阪市の)難波宮(なにわのみや)遺跡など、構造物の地下で保存した例もある。市議団とも連携して、現状のまま残す論戦をしたい」と話しました。(しんぶん赤旗 2024年7月23日)