衆院財務金融委員会は8月13日、理事懇談会を開きました。日銀の加藤毅理事から、7月末の金融政策決定会合で政策金利である短期金利の誘導目標を0・25%程度へ引き上げる決定を行ったことについて報告を受けました。
日本共産党の田村貴昭議員は、日銀の植田和男総裁が「個人消費は底堅い」との認識を示していることについて、「政府の7月の調査でも『生活が厳しい』が6割近くだ」と指摘。プラスに転じたという実質賃金も「ボーナスの作用であり、定められた給与で換算すれば29カ月連続マイナスだ」として「『景気の底割れはない』などの認識は実感とあわない」とただしました。
加藤氏は「『底堅い』という言い方が強く受け止められる表現になっているのは悩ましい」としつつ「実質賃金は今後改善していく方向」と繰り返しました。
田村氏はまた、日銀の植田総裁が追加利上げを決めた7月末の金融政策決定会合後、さらなる利上げの可能性に言及していたと指摘。ところが急激な市場の乱高下が起こり、8月7日には内田真一副総裁が「金融資本市場が不安定な状況で利上げはない」と述べているとして「植田総裁はジェットコースター乱高下と言われるような事態を想定して決定したのか。内田副総裁の発言は市場の乱高下をうけて『朝令暮改』的な発言となったのか」と質問しました。
加藤氏は、植田氏らに発言の意図を確認したいと述べました。
理事懇は、23日午前に同委の閉会中審査を開くことを決めました。(しんぶん赤旗 2024年8月14日)