米不足への緊急対応を求める申し入れ書 日本共産党国会議員団

2024年8月23日

 
農林水産大臣 坂本 哲志 殿
 

日本共産党国会議員団

 

米不足への緊急対応を求める申し入れ

 
 国民の主食である米の在庫が不足し、販売価格が高騰している。店頭から米が消え、国民が買えない・食べられない事態が全国で起きている。
 
 坂本哲志農林水産大臣は会見で「ひっ迫しているとは考えていない」と述べたが、現実に多くの国民が米を入手できない状況となっており、政府の無策は看過できない。
 
 そもそも、このような事態を招いた原因は政府の政策にある。
 
 政府は長期にわたり農民に減産を押し付けたあげく、米の需給と価格の安定に対する政府の責任を放棄してきた。2021年の米の生産者価格の暴落以降、全国の米農家は低い米価と農業資材の高騰に苦しみ、離農が急激に進んだが、政府は何の対策も講じなかった。
 
 その結果、かつて1000万㌧以上あった米の生産量は661万㌧にまで減少し、今年は需要量が上回ったために、6月末時点の米の民間在庫量が156万㌧と過去最低水準となった。
 
 現下の米不足は、安定して十分な生産量を確保し、価格保障・所得補償によって農家の収入を支えるという、多くの国々で行われている政策を採っていれば防げた事態であり、政府の失政の結果と言わざるをえない。政府は在庫があると言うが、ならば最低限、それが店頭に並ぶよう緊急に対策を取るべきである。
 
 また、食品価格の高騰が続く中、米の価格の高騰が低所得者・貧困家庭を直撃していることも深刻である。特に給食のない夏休み期間中、子どもたちが十分な食事を食べられない事態が全国で起きており、フードバンク・子ども食堂も米の調達に苦慮している。今すぐ、備蓄米を活用した対策を打つべきである。
 
 よって、以下を申し入れる。

 
1.米不足の実態・実情を把握し、関係者の声を聞くこと。
 
2.政府備蓄米の活用も含め、生産者団体や流通・小売業界と協力し、店頭に十分な米が回るよう、緊急対策を講ずること。これにより生産者に価格の変動による不利益を生じさせないよう対策すること。
 
3.農家の価格保障や所得補償を抜本的に充実し、大多数の農業者が安定して生産を続けられる条件を整えること。
 
4.価格高騰により米の小売業者の仕入資金が不足している。借り入れ条件の優遇、別枠融資、利率の軽減等の緊急対策を講ずること。
 
5.フードバンク・子ども食堂への備蓄米の支給制度について、今すぐ緊急に支給できるよう制度を改めること。都道府県・市区町村に申請窓口を設けること。
 

以上