物価高なのに生活保護引き下げるな 利用者ら国会内で緊急集会

 石破茂政権が来年度予算編成で狙う生活保護基準のさらなる引き下げに抗議して、緊急集会「物価高で暮らせないぞ!下げるな!上げろ!」が12月4日、国会内で開催されました。生活保護利用者らが物価高騰のもとでの切実な実態を告発し、「生きる希望になる生活保護制度に」と求めました。主催は「いのちのとりで裁判全国アクション」。
 
 財務省は、現在の同基準が一般低所得世帯の消費水準を上回っているとして引き下げを主張しています。
 
 集会で、利用者の男性(43)=東京都荒川区=は「うつ病を患い、働きたくても学びの費用を工面できない。物価高が不安で心を休められない」と語りました。元利用者の50代の女性=関西=は「健康保険料を払えず、発熱しても子どもを病院に連れていけなかった」「国がいう低所得世帯の生活とは、息をひそめて薄氷の上を歩くような生活」だとして、生活保護制度の充実を訴えました。
 
 「いのちのとりで裁判全国アクション」事務局長の小久保哲郎弁護士は、生活保護利用者らが原告となった全国の裁判で原告勝利の判決が19に上り、2013年からの段階的な基準引き下げは「違法だという判断が司法では確立しつつある」と指摘。全国クレサラ・生活再建問題対策協議会代表幹事の新里宏二弁護士は異常な物価高騰を顧みずに財務省が基準引き下げを狙っているのは「命に対する暴挙だ」と厳しく批判しました。
 
 全国青年司法書士協議会、反貧困ネットワークなどから支援現場の実態が語られました。
 
 日本共産党の小池晃書記局長、倉林明子副委員長、辰巳孝太郎、田村貴昭両衆院議員が集会参加し、連帯を表明。計12人の野党国会議員が参加しました。(しんぶん赤旗 2024年12月5日)