旧優生保護法(1948~96年)のもとで不妊手術や中絶を強制された被害者を救済する補償法の施行(17日)を目前に、「優生保護法問題の全面解決へ」と題した集会が1月14日、衆院第1議員会館でありました。優生保護法被害全国原告・弁護団と「優生保護法問題の全面解決をめざす全国連絡会」(優生連)が主催しました。
与野党の国会議員に、全被害者に対する賠償・保障の実現や恒久対策の実施などを求める要求書を手渡しました。
あいさつした弁護団の新里宏二共同代表は、提訴した被害者の力ですべての被害者のための補償法が成立したとしつつ「きちっとみんなが使える仕組みにしなければいけない」と指摘。国の責任で被害者の尊厳を回復するとともに、優生保護法問題を検証することが重要だとして「すべての被害者が救済される社会を、そして障害者の偏見・差別のない社会を目指して前に進んでいこう」と訴えました。
当事者や支援者らが発言しました。
聴覚障害がある女性(84)=名古屋市=は、第1子を妊娠したところ、義母やおばが出産に反対し、「命じられた」ため中絶しました。妊娠5カ月だったため開腹手術でした。5年後に息子を出産しましたが、その後の妊娠で再度中絶。「苦しくて悲しくて、いま思い出しても泣けてくる。補償法ができてよかった。全国の人が声を上げられることを願っています」と話しました。
優生連の桐原尚之共同代表は、優生保護法裁判の原告に精神疾患当事者はいないものの不妊・中絶手術被害者には多くの精神疾患のある人がいると強調。精神保健福祉行政は旧優生保護法を下支えしてきた歴史があるとし、精神障害のある人への優生思想や差別はいまも精神科病院での長期入院というかたちで残っていると述べました。「立法府には精神障害者の声を取りこぼすことのないよう、当事者団体との積極的な協議を求めたい」と語りました。
日本共産党の田村貴昭、本村伸子の両衆院議員があいさつし、倉林明子副委員長・参院議員が参加しました。(しんぶん赤旗 2025年1月15日)