厚生労働省が、独立行政法人福祉医療機構(WAM)による赤字医療機関向けの無担保・無利子融資について、既存の新型コロナウイルス対応融資などの借り換えは可能だと関係機関に周知するよう日本病院会に通知していたことがわかりました。通知は4月23日付。同省は、日本共産党の田村貴昭議員の国会での質問(同16日)に、借り換えは可能だと答えていました。
厚労省は同融資制度を説明するQ&AをWAMのホームページに掲載。同融資による資金をコロナ対応などの借入金の返済に充てられるとしています。
日本病院会など6病院団体が3月に行った昨年の診療報酬改定後の病院経営状況についての緊急調査では、経常利益率は平均でマイナス1・0%からマイナス3・3%に悪化。経常利益が赤字の医療機関の割合も50・8%から61・2%に増大しています。6団体は「病院が危機的状況」「地域医療は崩壊寸前」で、「ある日突然、病院がなくなります」と訴えていました。
厚労省は4月8日、経営状況が悪化した医療機関などに無利子・無担保で最大7億2000万円の優遇融資を、WAMを通じて行うと発表していました。
田村氏は同16日の衆院厚生労働委員会(質問動画はコチラ)で、6病院団体公表の資料では、一般的に破綻懸念先とされる債務償還年数が30年超の病院が半数を占めると指摘。借金を増やさず返済負担を減らす支援が必要だと主張し、既存融資の借り換えは可能かとただすと、厚労省の森光敬子医政局長は「借り換えに使うことは可能だ」と答弁しました。福岡資麿厚労相は「新型コロナ対応融資の返済が始まる中、地域の医療提供体制に支障が出ないよう丁寧な対応を図ることは重要だ。借り換えができることも丁寧に周知を図っていく」と答えていました。(しんぶん赤旗 2025年5月2日)