医学部定員・診療報酬・研究教育予算の改善を
医療崩壊が危ぶまれるなか、医療を守るために医師の増員を求める医師、医学生が5月29日、国会内で集会を開きました。医師の働き方を見直し医師らの増員を求める2種類の署名2万3310人分(合計)を国会に提出しました。主催は医師・医学生署名をすすめる会です。
署名は、▽医学部の定員増▽診療報酬の抜本的引き上げ▽医学研究・教育機関に十分な予算措置を行うこと―を求めています。医師と医学生を対象とした8370人分と、国民に呼びかけた1万4940人分が集まりました。
長野県内の病院で4月から研修医として働くAさんは、学生時の教育では「医師は足りていて、将来余る」と聞いていました。しかし、実際の現場では「足りているようには見えない。(働いてみて)いかに追い詰められた現状で働かされているか実感している」と語りました。医師を増やし「人間らしく働き、健康に暮らせる社会を求めていきたい」と訴えました。
全日本民主医療機関連合会の増田剛会長は、地域によって医師が偏在していると主張する政府に対し、「余っているところはどこにもない」と強調。昨年始まった医師の働き方改革は、過労死ラインの約2倍もの時間外労働を許容するものだと批判しました。
全国医師ユニオンの植山直人代表は、他の医療、病院団体も一体となって医師の増員を求め、国会や世論を動かしていく必要性を語りました。
野党の国会議員が参加。日本共産党の小池晃書記局長、倉林明子副委員長、田村貴昭衆院議員が出席し、あいさつしました。(しんぶん赤旗 2025年5月30日)