戦時中の1942年に山口県宇部市の長生炭鉱で発生した水没事故の潜水調査で犠牲者とみられる遺骨が発見された問題で、日本共産党の田村貴昭衆院議員と白川容子参院議員は9月15日、現地を訪れ、ダイバーらに要望を聞き取るなど調査しました。
長生炭鉱の水没事故では強制動員された朝鮮人労働者を含む183人が犠牲になり、「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」と水中探検家の伊左治佳孝さんらによる遺骨収容に向けた潜水調査が進められており、8月には犠牲者とみられる遺骨が相次いで発見されました。
田村、白川の両氏は、刻む会と市民の募金で建立された追悼ひろばと炭鉱の坑口、海面に突き出るピーヤ(排気・排水筒)が見える床波海岸を訪問。潜水調査を支援する藤本一規県議、宇部市の時田洋輔、浅田徹の両市議から説明を受け、地元ダイバーの戸田政巳さんに坑道内の状況や国への要望を聞きました。
刻む会の9日の政府要請に同席した白川氏は国が「潜水作業に危険がある」ことを理由に遺骨収容への支援に消極的だと報告すると、戸田さんは「潜水には絶対的に安全な状況を作ることは当然」と話し、これまでも十分に安全を確保していると強調。来年2月の潜水調査に向けて、ピーヤ内に残る大量の木材や鉄管の除去など多額の費用もかかり、「遺骨収容には国の支援が必要」と訴えました。
田村氏は「(遺骨収容には)政府が責任を持って取り組むことを強く求めたい」と話しました。(しんぶん赤旗 2025年9月17日)