医療・介護 経営難深刻 医団連 政府に危機回避策求める

医療・介護危機回避のための緊急政策を要請する医療団体連絡会議のメンバー(左側)。同席する日本共産党の田村貴昭衆院議員(右から2人目)と白川容子参院議員(その左)=30日、厚生労働省 医療・介護施設経営者や医師、看護師・介護士など五つの医療関連団体でつくる「医療団体連絡会議」(医団連)は10月30日、厚生労働省を訪れ、医療・介護現場の危機を回避するための緊急政策を政府に要請しました。日本共産党の田村貴昭衆院議員と白川容子参院議員が同席しました。
 
 医団連が提出した高市早苗首相と財務相、厚労相あての要請書は、医療機関や介護施設での賃上げ平均率が民間主要企業の3分の1程度にとどまり、物価高騰の影響で7割を超える病院が赤字で、介護事業所の倒産件数は過去最高だと指摘。▽ケア労働者の処遇改善と物価高対策を考慮した診療・介護報酬の期中改定実施▽国の責任による補助金等での緊急財政措置▽2026年の診療報酬と介護報酬の10%以上の引き上げ▽社会保障予算の抜本的見直し―などを求めています。
 
 医団連構成団体の一つ全国保険医団体連合会の小澤力副会長(歯科医)は、コロナ禍を経てかろうじて持ちこたえていた歯科医療機関の経営が成り立たず「今年だけでも、ほぼ半減している」と窮状を語 り、「医療は人が命。人が人を診ることで成り立つ部分が非常に大きい」と述べ、政策支援を訴えました。
 
 厚労省の伊原和人次官は、高市首相が所信表明演説で医療機関や介護施設への緊急手当ての必要性に言及し、経済対策策定を指示したとして、「医療や介護の現場に対する緊急支援をどうするか検討していく。緊急的な対応の必要性について十分認識している」と述べました。
 
 田村議員は、医療機関の倒産が相次いでいるとしつつ、「物価高、追いつかぬ診療報酬」という見出しの報道に言及し、「10%以上の規模の報酬引き上げが必要だ」と強調しました。(しんぶん赤旗 2025年11月1日)