「いつあってもおかしくない解散・総選挙。九州・沖縄ブロックで比例二議席の獲得を」―。日本共産党の市田忠義書記局長は3月22日、小選挙区で候補者を立てない熊本2区の玉名市で党演説会に臨みました。熊本2、3区に責任をおう党北部地区では、比例得票目標一万五千票を掲げています。玉名市で市田氏が演説をするのは初めて。会場の市民会館は六市十三町村から「市田さんの話を楽しみにきた」という人たちで埋まり、ユーモアを交えた市田氏の話に笑いやどよめきが絶えませんでした。
「政治のどこをどう変えればいいのか。そしてその仕事をどの党ができるのか」。こう述べた市田氏は、政党のあり方をめぐって、政治腐敗の根源である企業献金への各党の態度を比較し、深刻な日本経済の落ち込みを立て直すため、異常な大企業いいなり政治の根本をただす必要を強調しました。
なかでも、内需拡大のために、雇用、社会保障、中小企業、農業という四つの角度から再生の方策を詳しく説明。社会保障に関連して、重要な局面を迎えている水俣病問題についてふれ、住民無視、大企業優遇の自公政治の責任を厳しく批判しました。
市田氏は、まず企業と国、県の加害責任を厳しく指摘した二〇〇四年の最高裁判決をあげ、「政治は被害者の救済に全力をつくさねばならない」と指摘。ところが、自民・公明が提出した法案は、裁判に訴えた人を「救済の対象者としない」「三年をめどに救済措置の対象者の確定をおわる」などとしています。これに対し、市田氏は「被害者切り捨て、加害企業救済の法案だ」と批判。「日本共産党の躍進で大企業奉仕の自公政治に厳しい審判を下し、水俣病被害者の全面救済に道を開こう」と呼びかけました。
最後に市田氏は「自公政治が悪すぎる。だから一度は民主へ」と考える人についても言及。自民党の鳩山邦夫総務相が「今の自民党対民主党は、プロ野球でいえば、同じ読売ジャイアンツの紅白戦みたいなものだ」と述べていることを紹介すると、会場からは笑いとともに「その通り」との声。「政治の中身を変えないまま、表紙だけ変えても日本の明日は開けない」と訴えると拍手に沸きました。
赤嶺政賢、田村貴昭、山本伸裕の各衆院九州・沖縄比例候補があいさつ。赤嶺氏は「苦しみの根源の解決のためにがんばれる政党は日本共産党だけ。九州・沖縄から複数議席を獲得するために全力をつくす」と決意を述べました。
植木町から来たという女性(59)は「思いやり予算で米兵一人あたり額は、私たちの生活では考えられないことだ。どうにかしてほしいです」と話していました。(しんぶん赤旗2009年3月23日)