日本共産党の赤嶺政賢衆院議員や田村貴昭ブロック国政対策委員長をはじめ、衆院比例候補らは5月19日、政府交渉をスタートしました。
一日目は、環境省に水俣病、国土交通省に福岡空港、厚生労働省に雇用、農林水産省に有明海再生問題や農漁業振興とサトウキビ問題、徳之島ダムの諸問題で解決策や住民要求をぶつけました。政府交渉には、仁比聡平参院議員が参加しました。
水俣病問題では、抜本的な解決策のためにもいまだ全貌が明らかとなっていない被害の実相を明らかにする環境・健康調査の実施を要求。認定審査基準を見直すことや水俣病をめぐっては、加害企業のチッソだけでなく国も加害者であるだめ、公平な第三者の裁判所が水俣病の判断をする司法救済システムの確立などを求めました。
環境省環境保健部の椎葉茂樹企画特殊疾病対策室長は「環境・健康調査について発生から五十年以上たち、因果関係をはっきりさせることが難しいため「現在のところは考えていない。議会からやれと言われればやる」としました。
認定基準見直しは、「最高裁とその基になった高裁の判決は環境省の(水俣病の)判断基準に判断を下していない。見直せとは言っていない」としました。
田村氏は、水俣病をめぐり与党が国会に提出している特別措置法案で盛り込まれたチッソの分社化や公害健康被害補償法に基づく水俣病発生地域の指定解除に対して被害者愚者団体から「認められない」などの声が上がっていることを紹介。解決にならないと批判しました。山本のぶひろ衆院比例候補は「(与党案の三年という)期限を切ることは、結局患者切り捨てにつながる」と詰め寄りました。
赤嶺衆院議員は「水俣病患者だと手を挙げるということは勇気がいること。患者の気持ちが分かっていない。また前(一九九五年の「政治解決」)同じ過ちを繰り返すのか」と語気を強めました。
やりとりのなかで、椎葉室長は水俣協立病院に対して「公正といえるか難しい。(患者の)掘り起こしをしているでしょう」などと発言。赤嶺議員らから長年患者と向き会ってきた同病院がどうして公正と言えないのかと追及され、その後訂正しました。
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一連の政府交渉には仁比聡平参院議員、赤嶺、田村両氏のほか、田中みゆき(福岡1区)、小林とき子(同2区)、しのだ清(同10区)、せと難也(佐賀3区)、ふちせ栄子(長崎1区)、山本のぶひろ(熊本1区)、山下かい(大分1区)、ばば洋光(宮崎1区)、山口ひろのぶ(鹿児島1区)の各衆院比例候補と外間ヒサコ(沖縄1区)、川原やすひろ(福岡3区)の各小選挙区候補が参加。九州・沖縄各県の党地方議員も参加しました。(しんぶん赤旗九州・沖縄面2009年5月20日)
福岡空港 滑走路増設断念を/国交省に「需要予測は破たん」
九州・沖縄ブロックの政府交渉に参加している福岡の比例候補らは一日目の5月19日、麻生渡福岡県知事霞が推進を表明した福岡空港の「滑走路増設案」(総事業費約2千億円)をめぐって国土交通省と交渉。
破たんした需要予測に固執せず「滑走路増設」「新空港増設」を断念するよう要望しました。対案として▽誘導路整備など現空港の有効活用、▽近隣空港との連携―を強く求めました。
国土交通省の担当者は党の提案に対し、根拠を示さずに「効果はあるが、抜本的な改善にはならない」と強弁。従来のPI(パブリックインポルブメント)などを通じて「増設には根本的な合意が得られたと考える」として、推進に固執する姿勢を示しました。
党側は、「増設案」の根拠となった需要予測が“希望的観測”に基づくもので、「実際は過去八年間、利用者は減り続けている」と指摘し、需要予測の抜本的再検討を求めました。
担当者は「増設案」の検討に際して、最新の手法を尾いて新たな需要予測をしたいとの考えを示し、「今後もPIで意見を聞きたいとしました。
要請には田中みゆき、しのだ清、小林とき子の衆院比例候補三氏と、川原やすひろ、青木のぶやす衆院小選挙区候補、仁比聡平参議院議員秘書がが参加しました。(しんぶん赤旗九州・沖縄面2009年5月20日)