プルサーマルに使用するウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を積んだ輸送船が5月23日午前六時半すぎ、佐賀県玄海町の九州電力玄海原子力発電所内の専用港に到着しました。
燃料搬入に反対する地元住民や市民団体らは到着前から、専用港の見える橋や原発正面前に続々集まりました。「子どもたちの未来を守ろう」「リサイクルは偽装! 危険なプルサーマルにNOを」などと書かれた横断幕を手に抗議行動を繰り広げました。
玄海原発住民会議や佐賀県原発問題対策協議会などは、原発入り口前で抗議集会を開催。これには日本共産党の衆院九州・沖縄比例予定候補の田村貴昭、せと雄也両氏、武藤明美県議らが参加しました。
住民会議の藤浦晧会長は「この計画は私たち住民が納得して受け入れたものではありません。玄海町や佐賀県を核燃料のゴミ捨て場にしたくはありません。怒りを込めて抗議し、計画を撤回させるまでたたかい頑張りましょう」と訴えました。
一方、九州電力は、同日午後、MOX燃料の玄海原発3号機への搬入作業が完了したと発表しました。今後、国の検査などの工程が進めば、八月下旬から開始する同機の定期点検で原子炉に装荷する予定。十月下旬にも国内初の商業炉でのプルサーマルを実施する計画です。
プルサーマル プルトニウムを現在の原発(軽水炉型原発)で使用する方式。MOX燃料に加工して使用されます。プルトニウムはきわめて毒性が強い物質で、もともと現在の原発で想定されていなかったプルサーマルは、原発の危険をさらに増大させるとして強い反対があります。(2009年5月24日(日)「しんぶん赤旗」)