24日告示・4月10日投票でたたかわれる福岡県知事選を前に、立候補予定者の公開討論会(主催・日本青年会議所九州地区福岡ブロック協議会)が3月18日夜、福岡市で開かれました。福岡県民の会から立候補する田村たかあき氏(49)=日本共産党推薦=と、自民、公明、民主、社民の4党が“相乗り“で支持・支援する小川洋氏(61)が持論を交わしました。
東日本大震災を受けて、いま住民の関心が高まっている「災害対策」が討論テーマの一つに。田村氏は「ダムから脱皮した総合的な治水対策を実施し、学校や公共住宅の耐震補強に投資する」。小川氏は「防災計画の準備状況を検証し、補強、改良・改善していく」としました。
両氏の違いはTPP(環太平洋連携協定)、参加問題で鮮明になりました。田村氏が「地域の主幹産業は農業。ここを良くするのがオール福岡を良くする。(TPPに)参加してはいけない」とキッパリ反対を打ち出す一方、小川氏は「将来の農業のあり方を議論し、適切な保護と振興策を確立する」などとして、賛否についての明言を避けました。
テーマの一つ「地方分権」でも違いは明白に。田村氏は「地方に権限を移すのは大賛成だが、(道州制は)国と地方自治体の関係を崩し、地域によって教育・福祉がバラバラになる」と指摘。小川氏は「地方分権を進めるのが私の立場。延長線に道州制が描かれている」と行政の広域化に積極的です。
「若者の婚活、少子化対策」について、田村氏は「雇用を守り所得を増やすのが日本全体の課題だ」と述べ、待機児童の解消など子育てしやすい環境づくりを支援する考えを表明。小川氏は「経済を活性化して、給料が上がるようにする」などとのべました。
討論会では、知事退職金(4年間で4200万円)の廃止を公約に掲げた田村氏が、同じ考えか否かを小川氏に問いましたが、「ルールで決められている」などとして答えを避ける場面も見られました。(しんぶん赤旗 2011年3月20日)