福岡知事選(4月10日投票)は、日本共産党推薦の田村たかあき候補(49)と、〝与野党相乗り・天下り官僚″の小川洋候補(61)との新人同士の一騎打ち。第一声から、防災、原発、くらしなどで対決点が鮮明になっています。
土砂災害危険個所すぐに回修 地元に雇用・雇用増やす
田村候補は24日の第一声のあと、25日は北九州市小倉南・北両区で訴えました。
田村氏は、福岡県が大震災被災者に提供する住宅は175戸だけだと指摘。「疎開・避難を求めるすべての方に住宅と温かい支援をさしのべる」と公約しました。県内1万3000の土砂災害危険箇所のうち改修実施は800カ所にとどまっていることなどを挙げ、「直ちに工事に取りかかる。学校の耐震補強工事も強め、身近な公共事業で地元に仕事と雇用を増やす」と訴えました。
福岡県西部から約30㌔㍍先には佐賀県の玄海原発があります。田村氏は「危険なプルサーマル発電の中止を求める」とし、自然エネルギーの活用などエネルギー政策の転換を訴えました。
全国一高い後期高齢者医療の保険料、国民健康保険料・税。市町村への支出金の廃止などをすすめた県の福祉・医療行政を批判し「子育て支援、教育の充実、防災対策も、財源は、ムダ遣いをなくせば予算は確保できる」と訴えました。
大震災からの復興、農林漁業の再建、国民の食料確保が真剣に求められているときに、1次産業・地域経済を破壊するTPP(環太平洋連携協定)参加など「もってのほかだ」と批判しました。
「オール与党」候補 原発には沈黙 選対本部長は九電会長
小川候補は、大震災について「一日も早い復旧・復興」をいうものの、被災者用の住宅確保など県としての具体策はありません。
原発問題にいたってはふれずじまい。小川氏の選対本部長は、玄海原発などをもつ九州電力の松尾新吾会長。マスメディアは「推薦団体幹部は『経産省出身で原発の危機管理は詳しいはずだが、(九電に配慮して)触れられないのだろう』と推し量る」(西日本新聞25日付)と書きました。
4期16年の麻生県政を継承するという小川氏は「県民幸福度日本一」をかかげます。しかし、麻生県政の、この10年間で、雇用者報酬は月3万円も下がりました。完全失業率は全国ワースト3位、社会保障費260億円削減が進行中です。
また、「農業に夢と活力、生きがいを!」というものの、TPP参加問題にはふれません。(しんぶん赤旗 2011年3月26日)