東芝は地域経済守れ 福岡の工場閉鎖 赤嶺議員ら撤回要請

 東芝がLEDライトなどを生産する北九州工場(北九州市)の閉鎖、豊前東芝(福岡県豊前市)の事業縮小を計画していることに対して、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員、田村貴昭国会議員団九州・沖縄ブロック事務所長(衆院比例予定候補)は1月16日、衆院第1議員会館で東芝の渉外担当者に対し、工場閉鎖・事業縮小を撤回して雇用と地域経済を守るよう要請しました。

 東芝北九州工場の閉鎖は、昨年11月末に突如発表されました。530人の正社員を石川県などに広域配転し、6月には生産を中止して、9月までには完全撤退するとされています。

 東芝は、北九州工場について北九州市から最近10年間に補助金2000万円、国からは「低炭素型雇用創出産業立地推進事業費」を2009年度に13億円、10年度に20億円を受けています。

 要請には、赤嶺、田村両氏と、衆院小選挙区予定候補の真島省三(福岡9区)、高瀬菜穂子(同10区)両元県議、荒川徹、野依謙介両北九州市議が出席。東芝の奥住直明産業政策渉外部長らが応対しました。

 田村氏は、「地元の経済と雇用に計り知れない影響を与え、県知事も市長も見直しを求めている」と強調しました。

 東芝の奥住氏は、「急激な円高で厳しい。雇用はグループで確保する。広域配転は心苦しい」と答えました。福岡県や北九州市にも事前説明・協議がないことについて、「同業他社に情報がもれる」と言い訳しました。

 赤嶺氏は、「東芝は自治体から多大な支援を受けている。説明は最低限のルールだ」と強調。真島氏は「現地で説明を求めても“門前払い”の応対だ」と、非正規雇用労働者の数もいまだ公表しない姿勢を批判しました。

 奥住氏は、工場閉鎖の基本計画などについて「調べて後日伝えるようにする」と答えました。

 高瀬氏は、「家族の事情などで広域配転に応じられない人もいる。雇用が失われれば、内需が冷え込む。大企業こそ、目先の利益を追うのではなく雇用を守るべきだ」と訴えました。

 赤嶺、田村両氏らは厚生労働省と経済産業省にも、雇用と地域経済を守るよう東芝への指導を要請しました。(しんぶん赤旗 2012年1月17日)