日本共産党の田村貴昭衆院議員は4月29日、地震の影響を受けた熊本県内を終日回り、自主的に炊き出しを行っているNPO法人、役場、車中泊を強いられている住民などから話を聞きました。「もとの生活に戻れるのか」。生活や生業(なりわい)再建への不安が多く聞かれました。
西原村で、障害者を中心に自立支援を目的に活動している「にしはらたんぽぽハウス」。通常は、約25人が就労し、みそやレトルトカレーなどの食品製造をしています。地震の影響で作業ができず、給与の支払いもできません。現在は、避難所へ自主的に炊き出しを行っています。
「避難所が続く限り、通常業務は再開できない」。同ハウスの理事、吉岡潤さん(45)はいいます。「自宅へ帰れたとしても、雨が降れば避難勧告がでる。梅雨入りする前に、一日も早い仮設住宅の設置を」
同村の日置和彦村長は「村の約35%にあたる家屋が全壊、半壊している」と語ります。「いま村民の一番の要求は家です。仮設住宅も、最低300戸は必要になる。村だけでは対応できない」と語り、国や県からの支援を訴えました。
熊本市東区にある、大型マンションの向かい側、ショッピングセンターの駐車場では、多くのマンションの住人が今も車中泊を強いられています。
夫婦で約2週間、「車中泊を続けている」と話す男性(67)は「家が気になって離れられない」。ドアがゆがんでしまい、鍵がかからないからです。「通っていた病院も行けてない。今の望みは体を伸ばして休むこと」
話を聞いた田村議員は「非常に切実な問題です。私たちとしてもできることはしっかりやり、国や県にも伝えていきます」と語りました。
(しんぶん赤旗 2016年4月30日)