熊本地震の発生から今月半ばで半年となるのを前に10月5日、熊本県内の労働組合や市民団体、日本共産党でつくる「いのちとくらしを守る熊本ネットワーク」が、国会内で復興支援策の拡充を求める政府交渉を行いました。生活再建のめどが立たない被災者が多い中、参加者は「現地の実態を踏まえた支援策を」と訴えました。
熊本地震に関する「いのちネット」としての国会での対政府交渉は2回目。この日は日本共産党の地元議員を含む13人が参加したほか、仁比聡平参院議員と田村貴昭、真島省三の両衆院議員が同席。事前に提出した要望書を基に、内閣府や厚労省、農水省、国交省などの担当者と協議しました。
罹(り)災証明で家屋が半壊より軽い「一部損壊」と判断されると実質上何の公的支援も受けられない被災者が多数出ている問題について、内閣府の担当者は「さしあたり日常生活に支障のない範囲内の損害だと考えられる」と発言。支援対象外とする従来の姿勢を繰り返しました。
これに対し上野美恵子熊本市議は「瓦屋根が被害にあった場合、修理に百万円単位の費用がかかる。修理できないと梅雨や台風で二次被害が出る。『さしあたり支障がない』というのは実態と矛盾する」と述べて支援の必要性を強調。施策の拡充を求めました。
地盤被害や教育施設の被害、農業被害などからの復興支援拡大も要望しました。
「いのちネット」共同代表の楳本(うめもと)光男県労連議長は「地震から半年がたとうとしているが、課題は山積み。政府の柔軟な対応を実現するため、現地の生の声を届ける活動を今後も続ける」と語りました。(しんぶん赤旗 2016年10月6日)