熊本県内の労働組合、市民団体、日本共産党でつくる「いのちとくらし・平和を守る熊本ネットワーク」は4月25日に国会内で、水俣病問題で環境省と交渉しました。いまだに多くの水俣病被害者が救済から切り捨てられている現状を解決するため、加害者である国の責任を果たすよう要望しました。
交渉には、日本共産党の田村貴昭衆院議員、仁比聡平参院議員、真島省三前衆院議員、山本伸裕県議、野中重男水俣市議が同席。▽水俣市周辺の不知火海沿岸でどれだけ多くの被害者が存在するのか健康調査を実施する▽水俣病の被害を広く認めるべきだと判断した最高裁判決を踏まえ、公害健康被害補償法に基づく被害者認定制度の厳しい認定基準を改め、被害者切り捨てをやめる――など6項目を求めました。
環境省側は「最高裁判決で『52年判断条件』(現行の認定基準)は否定されていない」などと強弁。野中市議は、認定基準が定める複数の症状の組み合わせがなくても最高裁が幅広く水俣病と認定した判決の趣旨をのべ、「都合のいいところだけで解釈しないで」と反論しました。
仁比氏は「国は判決の出た2004年から『否定されていない』と同じ回答を言い続けているが、その間に救済の特措法が必要になり、地域外などでも救済者が出た。新たに多くの被害者が裁判に立ち上がり、現行認定制度が破綻していないという方がおかしい」と厳しく批判しました。(しんぶん赤旗 2018年4月28日年)