農民運動全国連合会(農民連)、農民連ふるさとネットワーク、畜産農民全国協議会(畜全協、農民連に団体加盟)は2月22日、岐阜県で昨年秋に発生し、1府4県に拡大している家畜伝染病・豚コレラのまん延防止、被害農家への経営支援を緊急に行うよう農林水産省に要請しました。
参加者は、豚コレラワクチンの使用を一律に不可とせず、まん延防止のために地域や時期を限定して使用を認めること▽被災農家や関連農場が経営を維持・再建し、生活を守るための支援を行うよう求めました。
静岡県から駆け付けた畜全協の森島倫生会長は、拡大が止まらず「農家は大変ピリピリした状態が続いている」と養豚農家の間で不安が広がっていると強調。「まん延の防止、経営を守る対策に全力を尽くしてほしい」と求めました。
農水省の担当者は、▽ワクチンの使用を完全には排除しないが、飼養衛生管理基準を守るよう求める▽殺処分した豚を時価で補償し、「つなぎ融資」を行う―と答えました。
群馬、神奈川、千葉、愛知の生産者や加工・販売業者が参加しました。
愛知の男性は、石灰による消毒など農場への侵入防止に全力を尽くす農家の努力を紹介し、「現場の農家からはワクチン接種を求める声が上がっている」と強調。国の補償や融資について「殺処分した農家が経営を元にもどす2、3年の間のえさ代など固定経費が賄えるか、農家は不安を強めている」と訴えました。
豚の出荷額全国3位の千葉県から参加した男性は「厳格に基準を守っている農場でも、豚コレラ以外の疾病が発生した」と紹介。「ワクチン接種の実施は農家の声だ」と述べました。
日本共産党の紙智子参院議員、田村貴昭、本村伸子の両衆院議員が同席しました。(しんぶん赤旗 2019年2月23日)