下関北九州道路(山口県下関市―北九州市)計画をめぐって塚田一郎・前国土交通副大臣が安倍晋三首相や麻生太郎副総理の意向を「忖度(そんたく)した」と発言した問題で4月15日、野党4党の国会議員が現地視察とヒアリング(聞き取り)を行いました。
日本共産党の田村貴昭衆院議員が参加。原口一博(国民民主)、川内博史(立憲民主)、初鹿明博(同)、日吉雄太(自由)の各衆院議員、森ゆうこ参院議員(同)とともに本州と九州を結ぶ道路の現状や下関北九州道路のルートを調査しました。
国や山口・福岡両県は、同道路の建設の根拠に既存ルートの老朽化などを挙げています。
一方、関門橋・関門トンネルを維持・管理するネクスコ西日本九州支社の迫田輝幸副支社長は「いずれも耐用年数の基準はなく、大規模な補修工事はほぼ完了している。できるだけ長く使用できるようにしたい」と議員らに説明しました。
両県の担当者は、同道路の費用対効果や交通量の予測について問われると「お示しできる段階ではない」などと回答を避けました。
ヒアリングには村岡嗣政・山口県知事、小川洋・福岡県知事らが出席。村岡氏は、同道路のルート上に活断層が存在する可能性について「調査が必要になる」と述べました。
田村氏は、塚田氏に「忖度」を持ちかけたとされる自民党の吉田博美参院幹事長に両知事らが国直轄の調査を要望してきた経過に触れて「強力な政治力を期待していたのではないか」と指摘しました。(しんぶん赤旗 2019年4月16日)