差別、偏見の被害訴え
ハンセン病患者の子やきょうだいというだけで、国の誤った強制隔離政策によって深刻な差別、偏見を受けた元患者の家族が、国に謝罪や損害賠償を求めて裁判をたたかうハンセン病家族訴訟の原告団、弁護団は5月9日、国会内で日本共産党国会議員団と意見交換をしました。
6月28日の熊本地裁での判決言い渡しを控え、国の加害責任を断罪する判決を勝ち取った上で控訴断念をめざす20人の原告が参加。宮里良子さん(75)=仮名=は、判決後の支援などを求める全面解決要求書を議員団に手渡し、「隔離と差別で、両親と一緒に暮らすことができませんでした。私たちはいつまでも差別を受けたくありません」と語り、国に責任を認めさせるため、ともにたたかってほしいと訴えました。
匿名の原告3人が人生を狂わされた被害を語りました。沖縄の60代女性原告は、長兄の発病をきっかけに、仲が良かった友達から無視され、学校や地域で居場所をなくしたことを告白。夫にさえ死別するまで兄のことを隠し続けるしかなかった自分を今でも責め続けていると涙ながらに訴え、「こうした思いは私たちの代で終わりにしなければなりません」と話しました。
共産党から穀田恵二、赤嶺政賢、塩川鉄也、畑野君枝、田村貴昭、清水忠史各衆院議員、井上哲士、仁比聡平、辰巳孝太郎、山添拓各参院議員が出席。18年前のハンセン病国賠訴訟で弁護団の一員だった仁比氏は、原告の勇気と決意に応え、「政治が解決の責任を果たすため全力を尽くしたい」とのべました。
高橋千鶴子衆院議員、倉林明子、武田良介両参院議員の各秘書も出席しました。(しんぶん赤旗 2019年5月10日)