諫早湾干拓事業をめぐり江藤拓農林水産大臣は10月2日、就任後初めて佐賀、長崎両県を訪れ、佐賀市内で「よみがえれ!有明訴訟」の弁護団・原告団と懇談しました。
馬奈木昭雄弁護団長は江藤農水相に、漁民だけでなく営農者などさまざまな立場の人と懇談できる場を開くことを求め「直接意見を大臣には聞いていただきたい」と語りました。
太良(たら)町の漁師は「国は(開門の代わりに)100億円の基金を示しているが、私たちが欲しいのは金ではない、豊かな海です」と訴えました。
日本共産党の田村貴昭衆院議員も同席し、「有明海の再生には超党派で取り組んでいる。漁民も営農者もウィンウィンの関係をつくりだす必要がある」と述べ、江藤農水相が2013年に副大臣だった時に「開門調査に最大限努力したい」と発言したことに触れ、漁民らとの対話を増やしていくよう求めました。
「諫早湾干拓問題の話し合いの場を求める会」の横林和徳事務局長は、農業者と漁業者の共通の利益を図る和解を、と求めました。
江藤農水相は「環境が整えば(懇談の場で)いろんな意見を持つ方が一同に集まって漁業振興に向けてやっていただきたい」と述べましたが、「開門」については一切触れませんでした。
農水相は県有明漁協を訪れ、山口祥義知事、徳永重昭組合長らと懇談。山口知事は「開門調査をしていただくのが一番。一番自然に近い形がいい」と述べました。(しんぶん赤旗 2019年10月3日)