「阪神・淡路大震災の教訓から学ぶ防災・減災」をテーマに、災害対策全国交流集会が11月24日、神戸市内で始まりました。全国災対連など7団体でつくる実行委員会が主催し、2日間の日程です。
主催者あいさつでは、全国災対連の小田川義和代表世話人が「くり返される災害で明らかになっている問題、被災者支援の質の改善を求める取り組みを共有し、全国的な運動につなげていこう」と参加者に呼びかけました。
開催地の神戸は、阪神・淡路大震災から来年1月17日で25年となります。特別報告で阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議の畦布和隆代表委員が、当時は対象外とされていた私有財産への公的支援を実現させた運動の経験を語りました。
神戸大学の塩崎賢明名誉教授が「今日における災害復興の課題と展望~創造的復興論を超えて~」と題して講演しました。
塩崎氏は、阪神・淡路大震災の復興事業費16・3兆円の大部分が再開発などの大型公共事業に投じられた実態を示して「創造的復興とは言葉の上では美しいが、インフラの強化や新たな開発事業が中心で、住民の生活は被災前よりよくなっていない」と指摘しました。
日本共産党の田村貴昭、高橋千鶴子両衆院議員、武田良介参院議員が参加。田村氏は、台風15号で一部損壊世帯への応急修理代の支給を国に決断させたことに触れて「半壊世帯に対する被災者生活再建支援法の適用、最大500万円への支援金の引き上げも求めていこう」と訴えました。(しんぶん赤旗 2019年11月25日)