日本共産党の田村貴昭衆院議員は12月4日、米空母艦載機離着陸訓練(FCLP)の実施候補地とされている馬毛島(まげしま=鹿児島県西之表市)の土地買収に関する質問主意書を提出しました。地元合意もないまま、不動産鑑定評価額の3倍を超える約160億円で買収することを地権者の開発会社と合意した内容や積算根拠などを明らかにするよう求めました。
防衛省が買収交渉を進めてきた開発会社の所有する土地には、抵当権が設定されています。主意書は、その抵当権抹消のために国が信用保証などで同社の資金確保に協力すると報じられていることについて、「土地取得のために企業の債権を肩代わりすることなどあってはならない」と指摘。政府の見解を求めています。
田村氏は、同社による滑走路建設など林地開発の大部分は県知事の許可なく行われていることを2月27日の予算委員会分科会で指摘しています。主意書では、指摘を受けてから県や開発会社に違法開発の有無を確認したのかや、違法開発のおそれを承知の上で土地取得を進めるのかをただしています。
また主意書は、FCLP移転について、深刻な騒音被害への不安等から地元住民の根強い反対運動が続いていることを指摘。「移転を地元住民や自治体の頭越しにすすめていることは極めて重大だ」と強く抗議。「地元の理解が得られていると考えているのか」と問い、政府の見解を求めています。(しんぶん赤旗 2019年12月11日)