防衛省は12月24日、米空母艦載機離着陸訓練(FCLP)の移転候補地とされている馬毛島(鹿児島県西之表市)をめぐり、地権者「タストン・エアポート社」から取得する土地買収費用を2019年度予算の在日米軍関係経費から流用し、すでに一部を支払ったことを明らかにしました。日本共産党の田村貴昭衆院議員の聞き取りに答えました。
防衛省は、19年度予算に辺野古新基地建設で計上したものの執行のめどがたたなかった分などを流用したとし、すでに63%の土地を買収したとしています。しかし、国費を支出しておきながら、支出済みの額について回答を拒否しました。
田村氏は「原資は税金だ。予算として計上し、国会審議を通じて認められたものを執行するのが財政民主主義の規律ではないか」と批判しました。
また、同社所有の土地に抵当権が設定されている問題に関して防衛省は、現段階で取得したのは抵当権がない土地だと説明しました。田村氏は、今後、同社が土地売却金を原資に抵当権の抹消を進め、防衛省が抹消された土地を段階的に取得していくのではないかと指摘。防衛省は、「土地取得の手続き中」だとして回答を避けました。
田村氏は、「防衛省が取得しようとする土地は、所有者が森林法に違反して開発した。米軍・自衛隊の使用に住民や自治体の理解を得られておらず、取得は断じて認められない」と強調しました。(しんぶん赤旗 2019年12月25日)