米空母艦載機離着陸訓練(FCLP)の移転が狙われている馬毛島(鹿児島県西之表市)をめぐり、防衛省が地元に隠して設計を委託していた問題で、いったんは設計を除外することにしたと説明したものの、実際は設計を行っていることが4月17日、日本共産党の田村貴昭衆院議員による防衛省からの聞き取りで明らかになりました。
政府は約160億円を投じて、馬毛島の地権者「タストン・エアポート社」(東京都)から土地買収を進めています。しかし、2月18日の衆院予算委員会での田村議員の追及で、土地売買契約を締結する前に、地元に隠して約35億円もの設計業務を委託していたことが判明しました。
これを受けて西之表市の八板俊輔市長は防衛省に抗議。同省はその後、委託契約から設計を除外すると説明していました。
しかし、設計には基本設計と実施設計があり、同省が田村貴昭事務所に提出した資料(設計業務仕様書)にも両方の業務内容が記載されています。基本設計とは、施設の配置や規模、構造、工法をはじめ工事費や施工計画まで決めるものです。
防衛省は、田村氏が「契約から除外したのは実施設計だけなのではないか」と指摘したのに対し、「そういう認識だ」と答え、事実上、基地の設計(基本設計)を行っていることを認めました。さらに、設計業務の委託費約35億円の半分程度を基本設計に充てるとしています。(しんぶん赤旗 2020年4月20日)