農民運動全国連合会(農民連)は5月13日、新型コロナウイルスの感染拡大で深刻な影響を受けている農家への支援を抜本的に強めるよう農林水産省に要請しました。全国食健連の舘野豊事務局長らも参加しました。
和牛農家の粗収益が生産費を下回った際に、差額の9割を補填(ほてん)する制度(牛マルキン)があります。今回、実際に補填されるのは9割のうち制度への国負担分に相当する4分の3のみで、交付額は差額の約7割にとどまることが、明らかになっています。
笹渡義夫会長は、「補填額が減ることに現場から怒りと落胆の声があがっている」と指摘。また第1次補正予算には生産者への直接支援がほとんどないこと、アメリカでは価格下落対策に6兆8000億円もの予算を使うことを紹介し、「生産者を直接支援する政策を立ててもらいたい」と訴えました。
参加者は、需要の減少による価格減少が深刻ななか、輸入量が増大している問題への対応も求めました。
農水省の担当者は「みなさんの思いは受け止めたい」と応えました。
同席した日本共産党の田村貴昭衆院議員は「離農を出さない立場で対策を出してほしい」と求めました。(しんぶん赤旗 2020年5月14日)