共感を確かな支持に/民主党に期待の人にも/熊本・宮崎田村比例候補に同行

 田村貴昭衆院比例候補は7月9日に熊本県、10日に宮崎県入りし、街かど演説会、決起集会を精力的にかけめぐりました。党の政策を訴えれば賛同と共感が広がる一方で、“投票は別”という有権者の声も、少なからず聞こえてきました。(竹原東吾)

 「日本人の生活に密着した、堂々たる政党だ」。7月10日、宮崎市・山形屋前での街かど演説会。田村候補の訴えに足を止めた男性(86)は期待を寄せます。男性は自民党員だといいます。後期高齢者医療制度を廃止し、お年寄りの医療に国が責任をもつという党の政策に共感。「国会をみても、一番もっともなのが共産党だ」

 ただ、「共産党の名前はソ連をイメージする。投票には直結しない」と即断します。

 「今度は、(比例も選挙区も)民主党に入れたい。よくわからないが、いまの自民よりはましだ。やらせてみないとわからないし、悪かったら次に落とせばいい」

 7月9日、熊本市・新市街での街かど演説会。田村候補の話を聞いていたタクシー運転手の男性(57)は「選挙区も比例も民主党に入れる」と迷いなく答えました。仕事がら、職に就いていない若い人たちが街なかにあふれていると実感します。自身の賃金も下がり、乗客数は横ばい。だからこそ、「共産党は雇用や社会保障のことで、正論で、いいことを言っていると思う」と納得します。

 でも、「なぜ、民主党?」の問いには、言葉が詰まります。「どうしてもってことはないけれど…。政権交代してもあまりかわらないとも思うし…。一回、民主党が政権とればどうなるかなあ」と…。

 他方、熊本県では水俣病特措法をめぐり、自公とともに患者切り捨て法を成立させた民主党の対応に憤りが噴出しています。ある患者が、こんな声をかけました。「今度の総選挙では一票たりとも民主党にはやらん!全部、共産党に組織する」

 また、田村候補の訴えを聞き、初めて党にふれた人たちは、一様に明るい表情です。

 宮崎県小林市の演説会で初めて党演説会に参加した女性(63)は「派遣切りなどで困り、どうしていいか分からない人たちのために、具体的に動いている政党だと知った」。宮崎市での「つどい」で、初めて田村候補の話を聞いた女性(66)も「民主党になったら世の中が変わると思っている入がいるけれど、歯がゆい。『そうではない』と説得力をもって、1人、2人と話していけるようにしたいと思いながら話を聞きました」。

 9日夜、200人が集まった党熊本地区の党と後援会の決起集会。田村候補は、内外メディアの注目や、市民から寄せられる党への期待とは裏腹に、多数の有権者が投票の選択肢として共産党が含まれていないことを、率直に指摘しました。

 その上で、総選挙は「2票」あることを繰り返し強調。「党を語れば、有権者の心を打ち、『2票のうち比例票は考えてみようかな』という変化が必ず起きます。私も声の限り訴え、語っていきたい」と呼びかけました。(しんぶん赤旗九州・沖縄面2009年7月12日)