「IS(過激組織「イスラム国」)が日本公館を攻撃するといいよるが、何もせんでいいのか」。安保法制報告会で参加者から質問が寄せられた。
ここは丁寧な議論が必要だ。「目には目を」の論調では戦争になってしまう。なぜISがそういう言動に走っているのかを見極める。国際協調で追い詰める・・・ちょっと重くなったところ、別の参加者が意見表明。「この国には9条がある。戦争はしないと主張することが大切だ」。雰囲気が和んだ。70年の不戦の歴史は不動の確信だ。
明治維新から先の大戦までの77年間、日本は戦争ばかりしてきた。しかし、新しい憲法と歩んだ70年の不戦の歴史は、もう少しでそれを超える。80年、90年、100年と伸ばしたら、日本国憲法が世界のスタンダードになるに違いない。
街頭演説をしていたら声をかけられた。「若者の貧困、非正規化が自衛隊員の獲得につながる。もっと言ってほしい」。徴兵なしでも軍隊は維持できる・・・本当にそうだ。アメリカがいいお手本だ。
「もし本当に中国や韓国が攻めてくるというのなら、僕が九州の玄関口でとことん話す」―福岡の大学生のスピーチが共感を呼んでいる。とってつけたように「平和外交が基本」と述べる安倍首相の答弁がしらじらしい。
戦争法案をめぐり、茶の間や井戸端でもいろいろな議論が交わされてきた。私は、たくさんの人の言葉に学んだ。その言葉の中にこの間題の解答がある。
直近の世論調査でも安保法制に反対が多数である。空前のデモと集会が国会を取り巻いている。違憲か合憲か、戦争する国か9条生かした外交か―すでに決着はついた。国民の側の勝利だ。この勝利ひびけ、とどろけ。(しんぶん赤旗 2015年9月16日)