水曜随想

赤旗「水曜随想」 国会質問の大事さ痛感/衆院議員 田村貴昭

1月14日 予算委 通常国会が閉会。今回は国会報告です。
 
 国会議員になって10年目。こんなに質問が多い国会ははじめてでした。本会議2回、予算委員会3回、財務金融委員会16回、農林水産委員会20回、災害対策特別委員会4回、国土交通委員会1回、合計46回の質問。
 
 食料自給率の向上を投げ捨てた亡国の農政や、大軍拡、戦争国家づくり、インボイス・消費税増税等を追及。一つひとつが大事な質問でした。
 
 能登半島地震では、5度にわたって被災地を調査。避難所の食事の改善、地盤隆起による漁業影響調査が開始。「エアコン設置のために壁に穴をあけていいと聞いた。安心した」――。質問がお役に立てて何よりです。
 
 「業者婦人は国民ではないのか」――福商連・民主商工会からの疑問を即質問。定額減税の対象外の方に、給付金支給を約束させました。国会質問の大事さをここでも痛感。
 
 想定外だったのは、人工甘味料の健康影響を取り上げた質問が、複数のYoutube番組で広く視聴・拡散されたこと。食の安全への関心がこれほど高いとは。
 
 4月はほぼ毎日質問。理事会室と委員会室を行ったり来たり。時に頭の中も混乱。「農水委員会に行ってきます」と隣席の議員に声をかけたら、「ここが農水委員会ですよ」と(笑)。
 
 さすがに1日2ラウンド、3ラウンドの質問となると、正直余裕がなくなります。もっと下調べをしておけばよかった。もっと掘り下げて追及すれば…反省、反省。幅広い分野を取り上げ、核心をつく論戦を展開するために、どうしても議席増が必要です。
 
 日本共産党が2014年に大躍進した際、企業・団体献金の禁止と政党助成制度の廃止法案を提出しました。議席倍加で法案提出権を。論戦仲間を増やしていただきますよう、次の総選挙でのご支援をよろしくお願いします。私も全力でたたかいます。
 
 現場に足を運び、切実な要求を国会に届ける。国会閉会中でもやれることはたくさん。この夏、大いに汗をかきたいと思います。(しんぶん赤旗 2024年7月3日)

赤旗「水曜随想」 声なき怒りの声原動力に/衆院議員 田村貴昭

田村貴昭 毎朝、新聞の川柳欄に目を通す。自民党の裏金事件に国民は怒り心頭。五七五を通して思いがビンビン伝わってくる。「裏金を能登にやれよ民の声」。憤まんやるかたない。
 
 「国民をなめんじゃないよ自民党」。直球勝負の一句、そうだ!使途不明の政冶資金は、脱税の疑いもある。ちゃんと申告しろ。
 
 怒りの句は発展してゆく。「こんな人選んだあなたが悪いのよ」なるほど。「だったらさあんな党には入れるなよ」ごもっとも。そしてさらに発展。「白黒は次の選挙でつけましょう」。そのとおり。底なしの金権腐敗に総選挙で審判を。あなたのご支持を日本共産党へ。うん、演説にも生かせそうだ。
 
 「しんぶん赤旗」のスクープから始まった裏金問題。秀作の「赤旗に白旗あげる自民党」を集会で紹介すれば拍手喝采。続いて「赤旗に白旗上げた5人衆」も登場。安倍派幹部4人が政倫審に出席した。今度は派閥会長クラスの証人喚問だ。白旗はまだ上げていない。企業・団体献金、パーティー券購入を禁止させてこそ降参となる。追及の手を決して緩めまい。
 
 今国会、私自身の質問はすでに8回。能登の地盤隆起による漁船調査は当初想定していなかったが、予算委員会で「国がやる」と農水大臣が約束。漁民の心配を対策に実らせることができた。米軍基地の有害PCB処理を防衛省が肩代わりするとんでもない問題を追及し、環境大臣から日本の処理施設で今後「想定しない」の答弁を引き出した。となれば国外に搬出させる以外にない。ひとつひとつの質問で、政治を動かしたい。
 
 結ひに拙句。「声なき声怒りの声が原動力」(しんぶん赤旗 2024年3月6日)

赤旗「水曜随想」 24年希望の持てる年に/衆院議員 田村貴昭

410391275_6158049937631276_8499513906993529833_n 「経済、経済、経済」ではじまった臨時国会は、「裏金、裏金、裏金」で閉会。自民党の腐敗ぶりは底なし、内閣支持率も底なしで最低を更新。街頭で国会報告していると、「がんばって!」の声援。握手を求められ、動画の自撮りで「裏金問題でただいま共産党が…」と〝実況中継〟する人も。国民は怒っていることを肌身で実感しています。
 
 問題の発端は、「しんぶん赤旗」のスクープから。他の野党議員からは「御党の調査能力には脱帽。次のネタは?」。自民党議員からは「日曜版が面白い。秘書もよく読んでいる」と。多くの人に「赤旗」を読んでもらいたいですね。
 
 政治を腐敗させる企業・団体によるパーティー券購入と献金。日本共産党国会議員団は完全禁止法案を参議院に提出。残念ながら、衆議院で法案を提出するには、21議席以上が必要です。2014年の総選挙では大躍進して、翌年に同法案と政党助成金廃止法案を提出。これを再び! 次の総選挙では議席倍増の勢いをつくり出し、政治とカネの問題に決着をつける。志を高く!
 
 半年以上先のたった1回の減税、給付金は多くの自治体で年内に支給されず。街中に「年越しできないじゃないか」の声。消費税減税の要求は自民党からも上がっているのに、岸田首相は聞く耳もたず。本当にひどい。
 
 「田村さん、『水曜随想』楽しみにしていますよ」「私も」。先日、鹿児島で声をかけてもらいました。随想なので肩の力を抜いて書きたいのですが、頭にくることばかりでなかなか…。「その苦労が感じられます」。いや、恐縮です。
 
 お読みいただきありがとうございます。みなさん、よいお年を、は言いません。2024年を、希望の持てる年にがんばります!ですね。
 
 あら、また力が入っている。(しんぶん赤旗 2023年12月20日)

赤旗「水曜随想」 辞めさせるため任命?/衆議院議員 田村貴昭

8日 災害特 「適材適所」が次々と辞任。辞めさせるために任命しているのか? 岸田首相の責任を厳しく問いたい。神田財務副大臣は、2013年から固定資産税を2年連続で滞納。差し押さえられるまで払わず。これを昨年まで2度、3度と繰り返してきた。本人が提出した国会への報告書には「いずれも事務の不手際により」と書かれてある。厚顔無恥、誰が信用するか。神田氏を衆議院財務金融委員会に呼び、質疑を行うことを一昨日の理事懇談会で主張したのは言うまでもない。
 
 減税をぶち上げても下がり続ける内閣支持率。当然だ。国民はその先に増税があることを見抜いている。軍拡増税の対象の1つは所得税。所得税減税と矛盾するではないか。さらに、一定の所得のある人は介護保険料アップ、少子化対策の予算を医療保険料に上乗せ…次から次へと打ち出される国民負担増への動き。さらに経団連会長は、「消費税増税から逃げちゃいけない」と発言。そもそも減税を言いながら、インボイスで消費税増税とは支離滅裂ではないか。とんでもない!
 
 諸悪の根源は大軍拡。国民生活を犠牲にし、戦争する国づくりが九州沖縄を拠点に進んでいることを、先日の日本平和大会で報告。さっそく「田村さんのスライド資料が欲しい」と問い合わせ。もちろん、カクサン歓迎。「軍事費削って福祉、教育の充実を」の世論をいまこそ大きく広げましょう。
 
 先月の毎日新聞の世論調査で岸田政権を採点するとの問いに、最多は0点、平均でも31点。もはや落第内閣ですね。国民の声を聞かない政権は退場へ。さあ、今ががんばり時。(しんぶん赤旗 2023年11月15日)

赤旗「水曜随想」 欧州の当たり前に学べ/衆院議員 田村貴昭

海外視察 イギリス 先週は財務金融委員会の議員派遣でヨーロッパ3国を訪問。付加価値税(消費税)と最低賃金について大いに学んだ。
 
 スイスは賃金水準が高く、最低賃金は一番高い州で時給24スイスフラン(3960円)。外食はお金がかかるが、それは人件費のウエートが大きいからと教わった。一方、食料品、医薬品などの付加価値税の税率は標準税率の約3割に軽減されている。だから暮らしが成り立っている。
 
 EU(欧州連合)の基準では、生活に欠かせない品目の税率は、ゼロか軽減税率と定めてある。日本にはない。EUを脱退したイギリスは、旅行、住宅建築までゼロ税率を採用しているが、これらは存続させるのかと財務省で聞いたら「どの政権であっても税率を増やすことはしない」とのこと。
 
 1年に3度も最低賃金を上げたドイツの例は、国会質問で紹介し岸田首相に実行を求めた。現在、時給12ユーロ1944円)でしかも全国一律だ。だが、日本は学ぼうとしない。ドイツの雇用者団体の役員いわく、「最低貨金は労働の対価で、生活全体を賄うのは社会保障である」。なるほど、例えばこの国の医療費本人負担は安く、国公立学校の学費は大学院まで無償だ。
 
 コロナ禍でドイツ、イギリスは、付加価値税の税率を時限措置であったが引き下げた。だが、自公政権は減税要求に聞く耳を持たない。
 
 整理してみよう。▽国民生活がピンチの時は減税▽生活必需品は非課税か低税率▽物価高騰に合わせて賃金を上げる――欧州の当たり前を、日本政府は取り入れるべき。物価高騰に無策で、実質負金が15カ月下落。その上にインボイス増税を押しつけるとは、言語道断、血も涙もない政治じやないか。
 
 学んだことを確信に、今後の国会論戦へ。(しんぶん赤旗 2023年9月6日)