庁舎にヒビ 有害物質流出の危険 熊本・水俣市を田村氏調査

20160617_1370220

日本共産党の田村貴昭衆院議員は15日、熊本県水俣市入りし、熊本地震による被害や有害物資の流出の危険性がある問題で、西田弘志市長と懇談するとともに現地を調査しました。山本伸裕県議や野中重男、高岡朱美両市議らが同行しました。

 

熊本地震では、市役所庁舎にヒビが入るなど被害が出ているほか、水俣病原因物質のメチル水銀化合物の排出された水俣川河口左岸の護岸や市道に亀裂が入ったために、汚染土壌に含まれる有害物質が海に流出する危険性をはらんでいます。

 

西田市長は、度重なる地震と余震によって、築56年の庁舎の壁や床に多くのヒビが生じていることについて「本来の行政サービスができない状況になっている」と指摘。建て替えと役所機能の一時移転が決まったものの、仮設のプレハブ建設費や移転費を含む負担が、最低約40億円に上るとして、国の支援を求めました。

 

田村氏は、震災復旧にかかる費用は、東日本大震災のように自治体の負担なしが当然だとのべ、秋の臨時国会で改めて地元の要望を届けたいと応じました。

 

護岸や市道に亀裂が入っているのは、水俣病加害企業チッソ(現JNC)がメチル水銀を含む工場排水を貯蔵していた八幡残渣(ざんさ)プール。100万平方メートルを超えるという広大な一帯は埋め立てられてはいるものの、何かあれば有害物質が外部流出し、水俣病の悲劇が繰り返されるのではとの不安の声が以前から出ていました。

 

視察した田村氏は「流出を防ぐ手だてが必要だ」として、加害者のJNCや国、県の応分の費用負担が最低限、求められると語りました。

(しんぶん赤旗 2016年6月17日)