国家戦略特区ワーキング・グループ(WG)で漁業法改定にかかわる規制緩和案をめぐるヒアリングの開催が隠ぺいされた問題で、水産庁は6月18日、ヒアリングの記録が存在していたと明らかにしました。内閣府は「単なる『打ち合わせ』で記録はない」と野党側に説明していました。同日の野党合同ヒアリングで明らかになりました。
座長判断で会議の開催自体を隠ぺいでき、不透明な審議を行う実態が浮き彫りになりました。
真珠養殖に関する規制緩和案を検討するため、2015年秋ごろに真珠販売会社や水産庁に行ったヒアリングの開催自体が隠されていたことが問題になっていました。水産庁が公表した文書は、15年10月28日に開催された「国家戦略特区WGヒアリング概要」。八田達夫座長や原英史座長代理ら計4人のWG委員が水産庁と真珠養殖の規制に関してやり取りしていました。
野党からは「どう見てもちゃんとしたヒアリングだ」などと追及。WGの事務局である内閣府は「個別の情報収集や意見交換をする『打ち合わせ』だ。記録は残っていない」と弁明しました。
日本共産党の田村智子参院議員は「加計学園問題でも、会議録が非公開にされた『影のワーキング』があったことが分かっている。正式なワーキングと影のワーキングの基準が何かが疑われる」と指摘。内閣府の担当者は「座長が判断する」と述べ、非公表の会議にする基準について明確にしませんでした。日本共産党からは清水忠史、田村貴昭両衆院議員も参加しました。(しんぶん赤旗 2019年6月19日)