赤旗「水曜随想」 金権腐敗政治特効薬は/衆議院議員 田村貴昭

8日 金権疑惑、鳥インフル (2) 「お主も悪よのう」「いえいえお代官さまほどではありません」--時代劇でおなじみ越後屋の場面。今に至るも同じことが続いている。時は、吉川貴盛元農水大臣が在任中の2018年から2019年にかけて。ところは農水省の大臣室。
 
 家畜のストレスを減らす飼育方法「アニマルウェルフェア」の国際基準案に対して、日本の養鶏団体は「現実的に不可能」として、日本の現状を踏まえた案となるよう大臣に要望。
 
 その後政府は「多様な飼養形態が認められるべき」とのコメントを国際機関に提出した。問題は、この経緯の中で吉川大臣が大手鶏卵生産会社「アキタフーズ」から数百万円の現金を受け取ったという疑惑だ。
 
 業者は「渡してはいけない違法性があるお金だと分かっていた」との報道。一方、大臣は現金の授受は何もコメントせず雲隠れ。うーん、いよいよ怪しい。
 
 昨日(8日)の農水委員会で、当時の大臣と業者の面接記録など、事実関係をいろいろ聞いたが、農水省は「捜査案件なのでお答えを差し控える」の一点張り。隠そうとするからますます怪しい。ごまかそうとしても、そうは問屋が卸さない。野党は7日に合同ヒアリングを行い真相究明へ追及チームを立ち上げることを決めた。私も力を発揮するぞ。
 
 カジノ汚職、桜を見る会、そして現代版越後屋…相も変わらぬ金権腐敗政治。政府も自民党も自ら真相究明にあたろうとはしない。そんな自民党につける薬は…ある。しかも特効薬。何といっても汚職腐敗と無縁の共産党が選挙で躍進することだ。さあ、観念してもらおう。(しんぶん赤旗 2020年12月9日)