水曜随想 「若者の行動すばらしい」 田村貴昭衆院議員

 夜、議員会館を出たら、交差点で数人の学生がスマホをのぞいている。「国会の正門はこっちの方向だよね」 そうか、SEALDs(シールズ)の行動に向かうのか。誰に誘われたわけでもない。インターネットで情報を得て、友達と連れだって参加する。時代は変わった。

 安全保障関連法案に反対する学生と学者の共同行動のデモ隊を衆議院の前で激励した。シュプレヒコールの音頭をとる人がいない。街宣車が先導するわけでもない。〝デモ慣れ〟していない人たちの静かなデモ。だからかえってインパクトがある。

 これまで政治活動とは無縁だった人たちが、いてもたってもいられないと、立ち上がっている。戦争法案反対、憲法まもれと声を上げている。

 しかし、聞く耳もたぬ安倍暴走政治は、さらにアクセルを踏み込む。自民党の若手議員が学生たちの活動を「彼ら彼女らの主張は『戦争に行きたくない』という自己中心、極端な利己的考えに基づく」と非難した。安保法制案が戦争参加であることを自ら認めたようなものだが、戦前にタイムスリップしたような発言に開いた口がふさがらない。

 もし、私が政権与党の立場にいたらこう言うだろう。「若い人が政治への関心を持つことは大変すばらしいこと。じっくり耳を傾けたい」。自民党議員の数々のおごり高ぶった発言は、この国の主権がどこにあるのか全くわかっていないことを言い表している。

 SEALDsは、自由で民主的な日本を守るための、学生による緊急アクションの意味。彼ら、彼女らの方がよっぽど自由と民主主義の意味がわかっているよ、自民党さん。(しんぶん赤旗 2015年8月5日)