“谷間世代”に一律給付を 司法修習で集会 日弁連

S__241311818 2011~17年に国からの給費を受けることができずに弁護士や判事、検事になるための司法修習を受けた「谷間世代」の元司法修習生に一律給付の実現を求め、日本弁護士連合会は5月23日、参院議員会館で集会を開きました。ビギナーズ・ネットなどの共催。オンラインも含め256人が参加しました。
 
 戦後の新憲法の下で始まった司法修習は、兼業禁止義務がある司法修習生の生活を保障するため生活費などを国が支給する「給費制」でしたが、11年に廃止されました。代わりに貸与制が導入され、法科大学院生や若手弁護士などによる粘り強い運動で、17年4月に改正裁判所法が成立。同年11月から修習給付金が支給されています。
 
 一方で返済義務のある貸与制を利用した司法修習生新65期(11年採用)~70期(16年採用)の「谷間世代」約1万1000人には給付が適用されません。
 
 日弁連の小林元治会長は、193億円の予算措置で「谷間世代」は救済されると強調。「司法を担う法曹が元気になるためにも支援を実現してほしい」とあいさつしました。
 
 給費制廃止の翌年の修習生(66期・12年採用)だったビギナーズ・ネットの福永紗織弁護士は、「『谷間世代』の多くは『自分は見捨てられていないか』と思い、多額の返済を抱えながら弁護活動に取り組んでいる。生き生きと活動できるように前に進めてほしい」と訴えました。
 
 与野党の国会議員が参加。日本共産党からは田村貴昭衆院議員、紙智子、仁比聡平、山添拓各参院議員があいさつしました。(しんぶん赤旗 2023年5月24日)