農民、女性などの各団体や労働組合でつくる「国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会」(全国食健連)は5月24日、食料自給率向上を求める農政への転換などを求め、農林水産省、厚生労働省、文部科学省に要請しました。
農水省には、▽離農・廃業が相次ぐ畜産・酪農への緊急支援▽食料・農業・農村基本法見直しに際して、幅広い農民、消費者の声を反映させること▽ミニマムアクセス米(外国米)、乳製品のカレントアクセス(低関税輸入枠)の削減―など要求しました。
農水省側は、「(酪農を)いつまでも財政で支えることはできない」「輸入枠削減は難しい」など責任を投げ捨てる態度に終始。農民連の笹渡義夫副会長は、「政府が公的に支える支援が問われている」と指摘し、基本法見直しについて、「自給率目標は一度も達成できず、生産基盤は崩壊した。これは農政の結果だが、この間の見直しの議論では、その検証がない」と批判しました。
富山県食健連の水越久男事務局長は「この30年、輸入拡大、規模拡大が進められてきたが、米価低迷で赤字だ。農家の努力はもう限界だ」として農政の抜本的転換を求めました。
厚労省には、輸入農畜産物の安全確保と検査体制の拡充などを、文科省には、学校給食の無償化と地元産農産物の活用推進などを要請しました。
日本共産党の田村貴昭衆院議員、紙智子参院議員が参加し、「現場の声を受け止め、ただちに施策に反映を」(田村氏)「要求実現へ、みなさんと力をあわせていく」(紙氏)とあいさつしました。(しんぶん赤旗 2023年5月25日)