自衛隊基地建設進む馬毛島 マゲシカ算定根拠疑問/“エサ減で頭数増” 田村貴昭氏、防衛省に指摘

防衛省の担当者(右端)から聞き取りをする田村貴昭議員(右から2人目) =13日、国会内 自衛隊基地建設が進む馬毛島(鹿児島県西之表市)に生息するマゲシカを巡り、日本共産党の田村貴昭衆院議員は6月13日、防衛省が5月に発表した個体数の推定結果について国会内で担当者から聞き取りをしました。
 
 同省は、昨年4月~今年1月、見通しの良い場所での目視や森林内でのセンサーカメラを使った調査で、個体数が「1000~1200頭」に上ると推定。昨年の調査では700~1000頭と推定していました。工事でエサとなる植物は激減しており、数が増えた結果に専門家から疑問の声が上がっています。
 
 田村氏は、調査結果を単純計算すると1平方キロあたり百数十頭が生息することになるとして、「2月に海上視察した際、14頭しか確認できなかった。草地や森がほぼなくなった段階で数が増えるのは信じがたい」と指摘。担当者は「現時点の推定数を示しており、増えたと断言していない。ただ減少していないと推定され、保全措置は適切だ」と述べました。
 
 田村氏は、身体的特徴から動物の個体を識別するのは難しいと指摘し「重複してカウントしないための個体識別はどう行ったか」と質問。担当者は「無線で連絡をとりあい二重計上にならないよう努めた」と述べました。田村氏は、調査方法や算定根拠が不明瞭だとして、目視調査の地点やカメラの位置、調査時に撮影した写真の提供を求めました。
 
 日本共産党の橋口美幸、渡辺道大・西之表市議もオンラインで参加。橋口氏は「市民や市議会でもマゲシカの関心は高く、市に直接説明に来てほしい」と要望しました。(しんぶん赤旗 2024年6月14日)