日本共産党の田村貴昭衆院議員は2月2日、NHK「日曜討論」で、予算委員会の論戦の本格化にあたり、2025年度予算案について「切実な国民の要求を実現するには、予算の抜本的な組み替えが必要だ。軍事費増大、大企業支援の枠組みを変えないと実現できない」と訴えました。(関連記事)
他党が大軍拡や大企業への大盤振る舞いという構造的な問題に言及しない中、田村氏は、“禁じ手”である国債まで使って軍事費を8・7兆円と突出して増やし、半導体企業への支援も補正予算と合わせて1・9兆円に上っていると指摘。「アメリカ言いなり、財界中心の政治を根本から変えないといけない」と強調しました。
一方で、倒産が相次ぐ中小企業や介護事業者の大幅な支援や、大学学費値下げ、農家への補償などが盛り込まれておらず、「国民に冷たい予算だ。支援の方向性が間違っている」と指摘しました。
社会保障についても高齢化などに伴う自然増を1300億円も削減していると指摘。政府が、がん患者らの“命綱”となっている「高額療養費制度」を見直し、自己負担額の上限の大幅引き上げを狙っていることについて「命と生活を脅かし、断じて許されない」と厳しく批判しました。
これに対し立憲民主は「少なくとも数千億円の(パッケージ)修正」に応じるよう要求し賛成の可能性に言及。維新は「高校授業料無償化」、国民民主は「173万円へ向けた課税最低限の引き上げ」などの個別課題に応じれば予算案に賛成する姿勢を示しました。
政治とカネの問題で田村氏は、ロイター通信が1月に行った調査で、企業献金は廃止すべきと回答した企業が8割に上ったと紹介。「企業も『企業献金廃止』と言っているのだからやるべきだ」と強調し、政治をゆがめる根源をただすべきだと主張しました。
また田村氏は、核兵器禁止条約への参加や、選択的夫婦別姓の実現、気候危機への対策など深刻な問題が山積みだと指摘。「政治課題がたくさんあり、国会で徹底して審議することが必要だ。日本共産党も国民の願いをかなえるために審議を尽くしたい」と語りました。
予算委員会での議論を深めるため、田村氏は「(7日に予定されれている)日米首脳会談に関する首相出席の集中審議を増やすべきだ」と提案。専門家や関係者の意見を国会で聞く公聴会の回数を増やすことや、少数会派の質問時間を十分に保障し「国民の声を予算に反映させることが大事だ」と主張しました。(しんぶん赤旗 2025年2月3日)