医療機関へ財政措置急げ 保団連が政府に緊急要請

スクリーンショット 2025-06-06 102451 医療機関の経営が深刻なもとで一刻の猶予もないとして全国保険医団体連合会(保団連)が6月5日、政府に対し緊急の対策を講じるよう要請しました。全国から集まった7443会員分の署名も提出。財務省には日本共産党の小池晃書記局長、厚生労働省には田村貴昭衆院議員が同席しました。財務省は吉野維一郎主計局次長が応対しました。
 
 保団連の森元主税副会長が要請書を手渡し、すべての医療機関への緊急財政措置と診療報酬の「期中改定」を求めました。
 
 要請書では、物価高騰が医療機関に多大な影響を及ぼしていると言及。同会が2月に実施した調査では、65・5%の医療機関が昨年1月と比べて減収となり、そのうちの41%が1割以上の減収となっています。また、光熱費・材料費の高騰分や人件費を診療報酬改定で「補填(ほてん)できていない」と回答した医療機関は9割を超えています。
 
 経営が厳しいなかでも人材確保のため、約8割の医療機関が2024年分の賃上げを実施しました。このままの状態が続けば「診療時間の縮小や廃院を考えざるを得ない。これは地域医療の存続にも関わる大問題だ」と警鐘を鳴らします。
 
 小児科を経営する保団連の細部千晴理事は、昨年数百万円の赤字だったと述べ、「診療報酬の点数が低いのは明らかだ」と強調。支援は「待ったなし。病院がつぶれてからでは遅い」と訴えました。
 
 共産党の小池氏は「物価高のもとで医療機関の経営は深刻になっているので、直ちに支援をしてほしい」と求めました。
 
 吉野氏は、経営が厳しい状況は「十分承知している」とし、物価高騰や消費税、患者数減少などさまざまな原因があるとの認識を示し、しかるべき対応を考えていくと述べました。(しんぶん赤旗 2025年6月6日)