ALS新薬供給不足 厚労省に要請 兵庫県保険医協会

ALS 全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の新薬が供給不足となっている問題で兵庫県保険医協会が9月24日、国会内で厚生労働省に対し安定供給に向けた手だてを行うよう要請しました。
 
 ALSは国内におよそ1万人の患者がいます。進行性の病気で、手足やのどなどの筋力が低下していきます。根治療法はなく、進行を遅らせる薬の投与が主な治療法です。
 
 従来の薬剤より大きな効果が期待される新薬「ロゼバラミン」を昨年11月、製薬会社エーザイが発売。ところが、今年2月に「想定を大きく上回る需要」のため限定出荷を決め、安定的な出荷開始に約2年を要する見込みだと発表しました。
 
 同協会の伊賀幹二理事は、いつ薬が手に入るか見通しがなく待つ患者にとって「耐えがたいものだ」と強調。生産体制の問題点や需要と供給の正確な数字などを国民が知れるよう情報公開を訴えました。
 
 日本共産党の田村貴昭衆院議員が同席し、増産までのロードマップを示すよう求めました。
 
 厚労省担当者は現在の供給量について、既存の工場で「1割増産している」と回答。追加の工場整備の審査期間短縮などで対応していくと述べました。
 
 同協会はエーザイに対しても同様の要望書を送付しています。(しんぶん赤旗 2025年9月25日)